【河野太郎 発言】「中国寄り」のカンボジアに日本ができること

2018-04-26 13:54:03


 4月8日、河野太郎外務大臣は、カンボジア訪問を終え、記者団とのインタビュー冒頭、次のように発言した。



 「今回、日本とカンボジアの外交関係65周年という機会にプノンペンを訪問し、フン・セン首相及びプラック・ソコン上級相兼外務大臣と初めて会談をいたしました。短い滞在ではございましたが、お昼ご飯も挟んで様々意見を交わし、また、フン・セン首相からは和平にまつわる話を直接聞くことができましたし、信頼関係の構築をすることが出来たのではないかと思います。

 カンボジアは、安倍内閣の掲げる積極的平和主義の原点でもありますし、私の父が宮沢内閣の官房長官の時代にUNTACへのPKO部隊派遣に尽力し、また、副総理・外務大臣の時代にフン・セン首相ともプノンペンで会談したこともあるということもあって、私個人としても思い入れが深いということをカンボジアのみなさまにお伝えをいたしました。

 カンボジアから自由で開かれたインド太平洋戦略について、非常に早い段階でご支持をいただいておりましたが、その実現に向けて、具体的な協力を積み重ねていくことで一致をいたしました。メコン地域の要衝にあるカンボジアの発展を後押しすべく、物流の改善、人材の育成、そして都市機能の強化という3つの柱で引き続き支援を継続していくことをお伝えをいたしました。

 また、今日、交換公文への署名が行われました、首都圏の送配電網拡張整備に対する円借款の供与、それから、税関の監視艇2隻の贈与も、こうした戦略の趣旨に一致するということであり、カンボジアからは、御礼の言葉とともに、更に協力を推進する意思が示されました。」

 カンボジアは、ASEAN(東南アジア諸国連合)10か国の中でも、一番中国寄りだと言われる。この岡崎研究所のコラムでも最近取り上げた「孔子平和賞」(中国がノーベル平和賞に対抗して創設したもの)の2017年の受賞者は、カンボジアのフン・セン首相だった。受賞理由として挙げられているのが、フィリピンが提訴した南シナ海問題での常設仲裁裁判所の判決(中国の主張や行動を国際法上の根拠がなく違法とほぼ判断したもの)を批判したことだそうだ。

 そんなカンボジアを、今回、河野外務大臣が訪れ、同国に借款や無償援助を供与した意義は大きい。特に、フン・セン首相を表敬し、「自由で開かれたインド太平洋戦略」への協力を取り付け、それを実際に、無償資金援助を通して具体化することが出来たことは、この地域の安定と発展に大きな成果があったと思われる。約5億円に上る日本からカンボジアへの供与のうち、税関監視艇2隻の贈与は、それらを保有していなかったカンボジアの海上での法執行能力を飛躍的に高めることになる。小型船舶等による密輸防止に使用されるとされ、北朝鮮への国連安保理決議に基づく制裁を確実化することにも役立つだろう。

 カンボジアは、この7月に国政選挙を迎える。いかに民主的選挙が行われるかが問われているが、野党が解党させられたということがあり、メディアからは批判や懸念の声がある。 

 振り返れば、四半世紀前の1992年、日本が、初めて自衛隊をPKOに派遣したのが、カンボジアだった。日本は、国際社会の中でも、積極的に、カンボジアの和平と復興、そして民主化プロセスに関わってきた。その過程で、日本人が犠牲になることもあった。1993年のカンボジア総選挙に国連監視団にボランティアで参加していた中田厚仁さんと、国連カンボジア暫定統治機構(UNTAC)文民警察官の高田晴行警視である。今回、河野太郎外務大臣は、お二人の慰霊碑に献花した。4月8日は、中田さんの命日でもあった。

 その意味からも、日本がカンボジアの民主化に無関心であるわけがない。しかし、河野大臣も記者の質問に答えているように、ASEAN諸国の民主主義は、様々な段階にあり、すぐに西側の民主主義のようにはいかない。タイしかり、ミャンマーしかりである。民主化プロセスにおいても、ある種、ASEAN WAYを尊重しなければならないのかもしれない。そうしなければ、よりASEAN諸国は中国寄りとなり、民主化に逆行する独裁色を強めてしまう。 

 カンボジアの和平・復興・発展の歴史には、日本外交の軌跡がある。カンボジアが内戦を終結して復興していく国際会議を、日本が主催した。フン・セン氏の眼の手術が、日本で秘密裡に行われたこともある。そして、UNTAC国連事務総長特別代表は、日本人の明石康さんが務めた。そして自衛隊、警察、民間から、様々な人がカンボジアとかかわった。

 安倍総理は、2016年の自衛隊の観閲式の訓示で 南スーダンのPKOに参加していた自衛隊員にカンボジアのPKO隊員が話しかけてきたことを披露した。そのカンボジアの隊員は、自分が幼い時に、自衛隊のお蔭で国が復興した、今度は、自分が南スーダンの復興に役立ちたい、と自衛隊員に謝意を述べたそうだ。日本がカンボジアで植えた「平和の苗」が育ち、今度は、アフリカで、その「平和の苗」が植えられていた。河野大臣が「カンボジアは、安倍内閣の掲げる積極的平和主義の原点」と語ったのは、このことを言ったのかもしれない。

 カンボジアは、中国寄りだが、反日ではない。むしろ、親日的カンボジア人は多いようだ。その証拠に、カンボジアのお札(500リエル紙幣)には、日本の政府開発援助(ODA)で完成した、大河メコン川に架かる「きずな橋」と「つばさ橋」が印刷されている。日本の国旗「日の丸」とカンボジアの国旗が並べて印刷されていることからも、日本とカンボジアの友情の懸け橋と言われている橋であることがわかる。

 そして、現在、カンボジアには、今でも活躍している自衛隊のOBがいる。NPO法人JMAS(日本地雷を処理する会)で、長かった内戦でいまだにカンボジア各地に埋まっている地雷撤去の活動等に携わっているのである。

コメント数 17 *複数のAPIを使いコメント保存しています。

hir***** 2018-04-26 12:56:57

残念ながら途上国が求めてるのは友情ではなくお金です。


神の目 2018-04-26 13:07:17

日本が出来る事は、ODAをストップしましょう。 日本に対して忠誠心を見せたら、再開しましょう。 金の力は、発展途上国では絶大なものです。


mas***** 2018-04-26 13:08:44

日本が長い年月をかけ援助してきたが中国の金に目が絡み一瞬にしてアジアで一番の中国寄りの国になってしまった。
また独裁政治に戻らなければ良いが


rikokawawaru 2018-04-26 13:17:05

自民党は日々中国寄りのメディアや野党と対峙してますけどね。


yum***** 2018-04-26 13:17:07

その日本が作った橋の横に中国が作った橋があります。


ライダイ・ハン太郎 2018-04-26 13:17:12

できることは「無視」。


A-2 2018-04-26 13:37:15

カンボジアは、日本と中華を天秤に掛けてるだけ。


Tanpopo 2018-04-26 13:39:15

これはばら撒きです


yia***** 2018-04-26 14:01:13

できること?
ODAを打ち切り 更に経済制裁 ついでに渡航制限 それくらい?
ただあまりやり過ぎると中国に更にすり寄る
先ずは議会と有力企業の切り崩しから


2018-04-26 14:01:20

外敵


zho***** 2018-04-26 14:39:00

何の意味もない。
直接に聞いた河野さんも直ぐにも辞めるかもしれんし、
お金ばらまいて会話弁当代高すぎるわ。1個5億円?


kao***** 2018-04-26 15:14:50

当然の話。
シアヌークの時代から、親中路線だったではないか。


tnk***** 2018-04-26 17:30:36

これは投資です。
同じ仏教国であり仲良くなれる。


gad***** 2018-04-26 14:58:22

日本ももうばらまきは辞めた方がいい。所詮貧しい国はプライドより金。


big***** 2018-04-26 14:05:27

カンボジアが反日ではないことは知ってるけど、チャイナマネーにすぐ尻尾を振ることも知ってる。
ある意味仕方ないことで、途上国は中間のスタンスを取りどちらからも援助を受けるのが得だからである。
もはやチャイナマネーには勝てないので、日本は中国には出来ない援助方法を考える必要がある。
戦後韓国に使ってきた莫大な金を東南アジアに使うべきだった。
おかわり欲しさに反日しまくる人畜にやるならケツ拭いた方がマシだ。


あなたが変われば私は変わる 2018-04-26 16:31:36

知っていることは無いが、国際関係上チャイナには直接接しておらず、隣にベトナムとタイがあり、基本的には遠交近攻でチャイナと結びやすいのではないかと思う。
歴史的に近いところでは、ポルポトの虐殺など、文化大革命を参考にしたものであり、実際チャイナ共産党から派遣された工作員が関与していたと言われる。

そこに日本が割って入ることは無駄だと思うし、利用はされても感謝はされず、ぽいされる可能性も高い。
日本には政治工作する意思はないし、そういう機関も存在しないのだから馬鹿みたいに出ていくのを見るのもつらいものだ。


ニホン 2018-04-26 18:04:16

中国よりの国には我々ニホンザルはもちろん邪魔するような釘を刺すだろう。






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