【大阪桐蔭 伊万里】大阪桐蔭は“最強世代”か。「ネット社会の虚像」、タレント集団ならではの難しさとは

2018-03-22 12:54:02


 第90回記念選抜高校野球大会が23日、阪神甲子園球場で開幕する。記念大会のため出場校が36校に増加した今大会は白熱した展開が予想される。優勝候補筆頭とされるのは大阪桐蔭。「最強世代」と言われるが、指揮官はその評判をどう見るのか。【図表】第90回記念選抜、組み合わせ表










大阪桐蔭・西谷監督(左)と根尾。(2017年5月撮影)【写真:氏原英明】






■最強世代・大阪桐蔭は“過大評価”

 昨秋の神宮大会覇者・明徳義塾(高知)を筆頭に同準Vの創成館(長崎)、近畿大会覇者・大阪桐蔭(大阪)など、実力校が顔をそろえて紫紺の優勝旗を狙う。

 その中でも、「最強世代」として優勝候補の筆頭に挙げられるのが大阪桐蔭だ。

 昨年の覇者であり、U-18代表の藤原恭大や学力優秀で3ポジションをこなす根尾昂、最速147キロのストレートが武器の柿木蓮、長身左腕の横川凱などタレント揃いなのも評価される理由だ。

 しかし、大阪桐蔭・西谷浩一監督は「ネット社会が作った虚像。過大評価です」とその前評判に表情は明るくない。

 近年、大阪桐蔭は甲子園に出場するたびに「優勝候補筆頭」と言われてきた。「大阪桐蔭を優勝候補に入れておけば予想は外れない」というようなメディアの身勝手な看板のつけ方に辟易しているところがあるのだろう。

 思えば、2014年に2年ぶりの夏優勝を果たした時は、それほど大阪桐蔭を推すメディアは多くなかった。あの時に外してからメディアの中では「大阪桐蔭=優勝候補」のような風潮が一気に加速したように思う。

 とはいえ、西谷監督が謙遜するのはそのような風潮だけが理由ではない。


■ 結果を残すのは“最強世代”の次の世代

 コーチ・監督として25年、たくさんのチームを見てきた。冷静に振り返って、今年のチームが特段ずば抜けたチームという手ごたえを感じていないのだ。

 「歴代で言えば、上から数えて10番目くらいのチームだと思います。中村剛也(西武)のチーム、辻内崇伸・平田良介(中日)の一つ上の代、中田翔(日本ハム)のいたチーム、藤浪晋太郎(阪神)の一つ上の代の方が圧倒的に強かったと思います。最強世代と言われるのは、ちょっと恥ずかしいですね」

 西谷監督が先に挙げた世代は本当に強かった。

 中村の代を詳しく知っているわけではないが、2003年から同校を追いかけている身としては、現在のチームが10番目とまでは思わないまでも、過去にはもっと強いチームはあったと記憶に残っている。

 しかし、ここに挙げられたチームには共通点がある。

 夏の甲子園出場を逃しているのである。

 「中村の代を甲子園に連れていけなかったことは、いまでも忘れません。指導者としてなんと力がないのかと。あのチームはたたき上げで一番練習をして強くなったチームでした。大阪府大会の決勝戦では0-5から追いついたのに、延長戦で敗れてしまった。あのチームを甲子園に導けなかったことは、僕にとって忘れてはいけないことだと思っています」

 そして、奇妙なことに、これらの「最強世代」と言われた翌年のチームは結果を残しているのだ。

 中村の一つ下である西岡剛(阪神)がいた2002年は11年ぶりの夏の甲子園出場を果たし、平田・辻内がいた2005年は甲子園ベスト4、浅村栄斗を擁した2008年は17年ぶりに優勝旗をもたらした。藤浪晋太郎―森友哉がバッテリーを組んだ2012年は春夏連覇を果たした。

 西谷監督がかつて「最強」と思えたチームさえ結果を残せていないという現実があり、そう思えば思うほどに、今年のチームに物足りなさを感じてしまうのだ。


■タレント揃いだからこそ抱える悩み

 もっとも、今年のチームに物足りなさを感じるには理由がある。

 それは“タレント集団”が抱える悩みだ。

 投手陣を見ると分かるが、これまでの優勝チームは絶対的なエースとそれフォローする投手、強力打線という構図がしっかりとできていた。今年はエース候補がたくさんいるがゆえ、絶対的な存在を育成するところまでは至っていないのだ。トーナメント戦ではそれがもろ刃の剣となってしまうのである。

 西谷監督は言う。

 「例えば、投手陣に柿木しかいなければ、全試合、彼が投げる気持ちになりますから、責任感が生まれてきますよね。でも、実際は3人いる。すると『きょうの先発は誰やろな』みたいな空気になるんです。調子が悪かったら交代できる投手がいるという部分では、どの投手にも力強さが付きにくいと感じています。

 もちろん、選手の将来のことを考えれば、投手の登板過多を防ぐには枚数が多い方がいいですけど、その分、成長度合いが1枚のケースと同じようにいくかといえば、そういうわけではありません」

 昨季は徳山壮麿という絶対的なエースがいた。それを支えるのが根尾であり、柿木だった。だが、今大会は誰を軸にしてくのかをトーナメントを戦いながら模索していくことになる。投手の枚数は多いものの、単純に考えて去年より見劣りしてしまうというのは指揮官が感じるところなのだ。

 「去年の優勝を経験している選手が多いのは確かですけど、それがプラスになるかマイナスになるかは別の話ですから」

 西谷監督の采配をみていていつも感じるが、何が何でも勝利したいというタイプではない。

 甲子園の大会を通して、選手が何を得るかを見ているフシがあり、その成長のタイミングをしっかり見極めている。選手がそのタイミングを乗り越えたときに、優勝の公算があるとしている。

 育成と勝利の狭間で甲子園の経験を生かすどう生かしていくのかが念頭にある。その中で、「最強世代」の枕詞と付き合わなければいけないジレンマは、今大会の彼らにとって大きなハードルになることは間違いない。

 大阪桐蔭は大会4日目第2試合に登場する。初戦は21世紀枠で出場の伊万里(佐賀)だ。

 その試合を勝ち上がっても、同ブロックには強豪校がひしめいており、激戦が予想される。「最強世代」という評判の中、彼らはどんな戦いをするのだろうか。


氏原英明

コメント数 11 *複数のAPIを使いコメント保存しています。

aka***** 2018-03-22 11:55:31

西谷監督が強いと思ったチームではないチームのほうが勝っているということは,
今年のチームは勝つ可能性が高いということでしょうか.


tom***** 2018-03-22 11:57:00

監督の言うとおり、タレント揃いのチームであっても、強いかどうかは別問題。リーグ戦なら総合力で優位ですが、トーナメントはなにがおこるかわかりません。だから高校野球は
面白いです!


kei***** 2018-03-22 11:57:56

まぁ、同じ高校生だから皆さん頑張ってください


bas***** 2018-03-22 11:58:05

戦力的に過去最強だろうけど藤浪と森で優勝したときの桐蔭のほうが怖い


xxxxx 2018-03-22 11:59:55

西谷先生のようにプロフェッショナル仕事の流儀に出てきそうな
超一流の野球指導者も一応カテゴリ上は「部活動顧問」なんだよね。

良い悪いは別にして、昨今話題になっている、本当は帰りたいのに放課後に仕方なく顧問を請け負っている先生と、こういう学校の指導者が同じ括りにあることに違和感を感じる。そろそろ、野球指導者にもライセンス制みたいなものが必要なんじゃないの。


cds***** 2018-03-22 12:05:53

それらを乗り越え、春夏を征してほしい。
まずは、今回の連覇がかかった春のテッペンを取ってもらいたい。


cal***** 2018-03-22 12:11:47

とぉ 云っても集めてきたのは、監督・スカウト陣なんだから贅沢言うな。
公立高校が頑張って欲しい


maf***** 2018-03-22 12:13:38

甲子園には魔物が住んでいると言われています。勝負事は予想が大いに外れてしまうことがありますし、昨年夏の大阪桐蔭と仙台育英戦での試合も、あと一歩のところで大阪桐蔭が敗退しました。やってみないとわかりませんね。


ksd***** 2018-03-22 12:19:33

全体のレベルも上がってきてるし、いくらタレントが揃っていても一発勝負のトーナメントではピッチャーの出来ひとつで決まりますからね。


hi***** 2018-03-22 12:22:30

取り敢えず、タレント揃いのチームは勝ち残ってくれないと、つまらなくなるので、決勝まではいって欲しい。


ets**** 2018-03-22 12:36:24

一昔前の大阪桐蔭は大阪予選決勝が鬼門だったからね。
甲子園に出れば確実に優勝候補なのに、予選決勝で負けてガッカリすることが多かった。大阪桐蔭に勝って出場した大阪代表の学校が意外に弱かったりするから、余計にガッカリしたものですよ。






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