【電通 社内】第一線で活躍する「変わった人」を生む環境とは

2017-09-16 11:40:02


文部科学省の有識者会議が「国立大学の附属校の入学者を抽選だけで選ぶ」ように促す報告書を出したことが議論を呼んでいます。「くじ引きだけと言っているわけではない」との意見もありますが、報告書には具体的な選考方法の事例として「無試験で抽選」と明記されており、これが有識者会議の考えということでしょう。

この連載では経済や文化の話を書いていきますが、今回は経済人や文化人になる前に必要な教育について触れたいと思います。何を隠そう、私も国立大学(学芸大学)の附属中学・高校の出身ですので、この件を取り上げないわけにいかないのです。

横並びでなく、個性を伸ばす

無試験で抽選とすることで、何が起きるのでしょうか? 

自分の出身校に限って言うなら、国立附属校の良さは、入学試験によりある程度学力が平準化され、それら生徒と先生で作り上げた伝統があるからこその、のびのびと、生徒の自主性を伸ばしそうとする校風、そして、学生同士もお互いの考えの違いを認め、そのうえで社会性のある規律は保持する文化であったと思います。

麻布や武蔵といった有名私立校も同じと聞きますが、私の出身校も学校では受験対策はまったくしません。難関校を受験する人は多いですが、それも生徒の自主性で「受験したい人はする」という具合です。

卒業後の進路、活躍の場も様々です。音楽業界であれば、日本人で初めてドイツ宮廷歌手の称号を得たバリトンの小森輝彦さん、オペラの演出家として日本を代表する存在の中村敬一さんを輩出。学者や医者も大勢おり、精神科医の香山リカさんや脳科学者の茂木健一郎さんも卒業生です。経済界では、ことに外資系で成功している人が多いのが特徴です。芸能界ではオリエンタルラジオの中田敦彦さんと平井理央さんは同級生。本当にバラエティ豊かな人材を送り出しているのです。

多くの異才を輩出しているのは、なによりも、各人の考え方は自由であり、尊重するべきだという伝統があったからだと思います。流行りの言い方をすれば、多様性とは何かを理解し、尊重する校風でしょうか。その実現は、基礎をしっかり問い、切磋琢磨できる仲間を選び取る考え抜かれた受験システムがあってのことです。

「そういう教育なら私立でいいじゃないか」という意見を言う人もいます。しかし、高い学費を払わなくても、多様性を理解し、各人の個性を伸ばすことができる環境がなくなってしまうのは、私立の学校に通える裕福な子供だけが伸びていく、いわゆる教育格差を助長してしまうようでさみしく思います。

日本の学校教育はともすると、「みんなと同じ普通のこと」ができる子どもをよしとする傾向があります。しかし、発達の程度やぶっ飛び度合いは子どもによって異なります。私自身の話をすると、公立の小学校では本ばかり読んでいることを先生にも揶揄され、大変窮屈な思いをしていたので、好きなことを考えてのびのびしていられた国立附属の教育は、とてもありがたいものでした。

中学の先生は、研究室にある本を「自由に読んでいいよ」と解放してくれ、おかげで世界と日本の文学全集を読むことができました。高校時代はオペラばっかりやっていました。そのため中学も高校も、算数や英語は追試の常連で落第寸前……。親はずいぶん心配したようですが、「みんな3年生になれば自分で考え始めます」と先生は自信を持って説得してくれました。過去に同じような生徒たくさん見てきた先生や学校の経験から、この生徒は大丈夫、という判断基準があったらでしょう。

一般的に見れば、相当変な生徒だったと思います。しかし、先日も前出の小森輝彦さんと語りあったのですが、「みんな変だったから、自分がおかしいと思ったことはなかった」のです。

コメント数 12 *複数のAPIを使いコメント保存しています。

lov***** 2017-09-16 11:13:17

どこにも同じ人は存在しないし、
「普通」の人なんてどこにもいない


gogo 2017-09-16 11:19:12

変な逸材という意味でなら断然麻布だろう。


ka8***** 2017-09-16 11:23:07

近所の進学塾は国立大附属生クラスがある
教科書も進度も違うし、公立校の子と一緒のクラスにはできない

噂では、そこの子たちは塾で勉強する
と、他の附属も大なり小なり、現状そうではないのかな

通つてる家庭の意識も私立進学校とそう大差はない

附属に受かるために進学塾に通った経済的余裕のある家庭が多い

附属校に血税投入するより
公立小中学校にまわしたほうがいいのでは


vio***** 2017-09-16 11:29:22

「高い学費を払わなくても、・・・私立の学校に通える裕福な子供だけ・・・」という文章から、如何にも国立大付属校に入ってくる子供たちは裕福ではないけれど、優秀な子供たちが集まっている、というようにもとれるが、その具体的なデータはあるのか。はっきり言うと、国立大付属校に入ってくる子供たちは、私立校に通っている子供たちと同じくらいか、それ以上に裕福なのではないか。自分の主張に都合のいいように、前提を勝手に作りあげないで欲しい。こんな偏った主張を展開させると、国立大付属校出身者の優秀さが疑われるよ。
ただ、能力の優れた子供たちにエリート教育を施すことに反対しているわけではない。その点を堂々と主張すればいいだけだ。


mob***** 2017-09-16 22:11:31

貧富の差が大きい感じはしましたが、そんなの公立でも同じだしなあ。


mis***** 2017-09-16 11:38:21

国立の附属はもっと絞っても良いと思う。
浮きこぼれと言われる子たちの受け入れ先が少なすぎる。
普通の公立じゃ先生が嫉妬するから最悪。


a::***** 2017-09-16 11:44:21

筑駒の文化祭に3回行きました。本当に素晴らしい。生徒さん方は日本の宝、これから加速度的に日本の国力が落ちる中での希望の光です。
息子は現在某県立トップ校に通っています。とてもありがたい事ではありますが、筑駒のような自由闊達な活動は高校時代には望めません。

批判をお受けする覚悟で申し上げます。国立付属に無試験で入学させたい一人のお方のためなのでは?それとも、最近問題のあった某校の定員割れのため?ならば、該当する学校だけの変革でお願いしたいです。
その必要性もわかります。でも、全部の国立付属の入試制度を変えるのはやめて頂きたいというのが切なる願いです。

いろんな国を、計50回ほど旅行し、現地で見聞きしましたが、国力でいうと、日本の企業も、大多数が通っている公教育も、危機感を覚える段階はとうに過ぎています。’超’優秀な子が、全員私立に行けるわけではない。その子たちを見捨てないでください。


2017-09-17 06:35:32

筑駒さんに入る子たちは高額な塾代を払える御家庭の子供だけですよ。
学校で自由なのは鉄○で勉強してるから。


Meet 2017-09-16 12:15:02

普通の公立小中でもついていけなかった
生きるのは困難だ、フゥ…。


ksm***** 2017-09-16 12:34:09

本当に優秀な人間であれば、どんな環境だろうと自然と出てくるはずだよ


ijg***** 2017-09-16 12:43:23

日比谷、西などの都立伝統校があるのに何故国立が必要なのでしょうか?
中高一貫が必要というなら、都立中高一貫の小石川などがあります。
何れも素晴らしい学校です。
単に母校を養護しようと書いているとしか読めません。


aaabbb 2017-09-16 13:10:48

拙宅の子供も国立大学教育学部附属中学に帰国子女枠で入学して、公立トップ高校からの某国立大学に通っています。
この中学は、帰国子女の教育方法研究の為に、定員の1割強が帰国子女枠でした。
この中学並びに高校共に、自主性に任せて勉強や色々なことを探求することを奨励してくれました。
今でも、中学や高校時代の友人とも仲良くしており、彼らの今後を見守って行きます。
このような、個性的な仲間を、平準化するのは…。






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