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【トランプ TPP 影響】WTOに挑戦するトランプ、待ち受ける訴訟の嵐

2017-02-01 13:00:02


 元WTO上級委員会委員長のジェイムス・バッカス元米下院議員は、1月4日付のウォールストリート・ジャーナル紙で、トランプ政権はWTO上の義務をどうするのかはっきりしないとして、世界貿易の将来について懸念を表明しています。論説の論旨は次の通りです。

 トランプは商務長官にロス、通商代表にライトハイザー、新設の国家貿易会議議長にナヴァロを指名した。関税を引き上げるとの公約に真剣であることを示唆する。移行チームはすべての輸入に10%の追加関税もありうるとしている。

 米大統領は議会の承認なしに貿易措置を驚くほど自由にとれる。国内裁判所で挑戦があっても、新政権は勝つだろう。しかし、本当の戦いはWTOの判事を前にしての国際的訴訟である。WTO協定上、米国は多くの貿易品目に関税上の約束をしており、これは法的に拘束力がある。
全輸入品への10%の関税は、この約束に反する。中国からの輸入品への45%関税、メキシコからの輸入品への30%関税もそうである。次期政権がWTOの義務をどう考えているのか、不明である。トランプはWTO脱退もありうるとしている。脱退まで行かないとしても、米国の一方的な措置は他国の報復を招き、世界貿易システムは崩壊しよう。

 追加関税は影響を受ける国からのWTO提訴につながる。米国は効果的な防御をなし得ない。米国がWTOの裁定を受け入れない場合、これらの国はこれまでの譲許を撤回できる。米国は毎年、数十億ドルの貿易を失うことになる。

 米国は貿易の調整措置をとりうる。中国との関係では、鉄鋼生産能力の過剰など、多くの問題がある。しかしこれらの貿易問題がWTOの法的枠組みの中で追求されるのか、WTOの枠外でなされるのかが問題である。WTOの枠外であれば、米国はWTOの訴えで負ける。

 米国はアンチ・ダンピング税を課しうる。また輸入品への補助金については、米国はそれをやめるようにWTOに訴えられるし、相殺関税をかけられる。しかしこれらの行為が国際的に合法であるためには、米国の行為はWTOの規則と整合的でなければならない。米国の初期の行動は、アンチ・ダンピングと相殺関税についての国内規則を厳しくすることかも知れない。然しこれもWTOに訴えられ、WTO違反とされる可能性がある。

 いずれにせよ、米国の措置の主要な標的は中国になろう。2015年の米国の対中赤字は3660億ドルにもなる。中国は報復を検討するだろう。米国は鉄鋼、アルミニウム、携帯電話、コンピューター、おもちゃを標的にする可能性がある。中国は自動車、航空機、大豆、豚肉を標的にしうる。さらに、独占禁止法の利用、知的財産権の無視もありうる。

 米国の貿易関連措置、他国の報復措置はWTOでの難しい紛争になる。貿易紛争を非政治化するのがWTOの目的であったが、この状況でWTOの紛争処理は機能するのか。WTOの上級審は、多数の政治的に爆発しかねない貿易紛争に直面する。WTOの上級審の独立、公平な司法の役割が、貿易上の法の支配の維持のためにこれまで以上に重要である。

出 典:James Bacchus ‘Trump’s Challenge to the WTO’(Wall Street Journal, January 4, 2017)

 この論説は、トランプ新政権の保護主義的な通商政策が、世界貿易に与える悪影響について論じたものです。適切な問題提起です。トランプはTPPを議会に承認を求めて出すことは考えられないし、NAFTAについても再交渉を求めることは確実です。トランプのこういう保護主義的で、多国間合意より二国間合意を優先する姿勢は、世界貿易を縮小させる効果を持つでしょう。

 しかし、いくらトランプでも、WTO脱退にまでは、一度言及したことがありますが、踏み込むことはないだろうと考えてきました。そうであれば、追加関税賦課にもブレーキがかかりますし、米国もWTO紛争解決の仕組みで負け続けるわけにも行かないので、無茶なことをするにも限度があると考えました。この論説は、中国やメキシコに追加の高関税をかけることはありえ、WTO上の義務をないがしろにする危険があると指摘しています。

コメント数 13 *複数のAPIを使いコメント保存しています。

r*k***** 2017-02-01 12:21:30

歴代米大統領の、就任から不支持率が50%を超えるまでに要した日数

ロナルド・レーガン 727
ジョージ・ブッシュ 1,336
ビル・クリントン 573
ジョージ・W・ブッシュ 1,205
バラク・オバマ 936
ドナルド・トランプ 8


ham***** 2017-02-01 13:37:51

*このコメントは削除されました。


cli***** 2017-02-01 12:43:05

国家を取り締まり出来る国際機関などない


tig***** 2017-02-01 12:50:47

もうぐっちゃぐちゃのやりたい放題だな。

トランプ支持者の目的は世界の混乱だったのかね。


ixo***** 2017-02-01 13:05:49

はっきり言って、無知で無能。思いつきだけで無責任な発言を連発し、世界中を混乱させているだけ。
とてもアメリカの大統領なんて務まる器じゃない。


ham***** 2017-02-01 13:43:34

無知なのか無能なのかはこれから分かる。それに米大統領はあらゆる常識を破壊してはいけなという決まりなどない。特に何事も他国に右へ習えでゼロからの発想力に乏しい日本人にトランプは理解出来ないだろうね。


mic***** 2017-02-01 13:10:32

米国の主要輸出品目は投資財である。つまり、海外への金貸業である。
これを是正しなければ、国内企業の業績は難しい。
保護貿易を遂行して国内経済の縮小に向かえば益々、資本家たちは益々海外投資へ向かう構図。
行き詰まったところへ、北朝鮮と中国との戦争を引き起こして、起死回生を狙い、軍事産業の拡大路線へ向かうなら、ロシアにとっても渡りに船。
あんまりいいことないなぁ。


ken***** 2017-02-01 13:12:46

貿易戦争だけでおわればいいのだが


ham***** 2017-02-01 13:45:21

日本人も覚悟しといたほうがいいかもね。永遠に平和はない


ham***** 2017-02-01 13:34:47

*このコメントは削除されました。


ark***** 2017-02-01 14:36:16

日本は隙間産業で乗り切ろう!


sub***** 2017-02-01 18:16:04

まあ、法的なことはともかく、好き放題関税賭けたとして、結果は単に自国民が高い買い物をしなければいけなくなるか、市場の魅力が無くなり、アメリカでモノを売ろうっていう他国の企業が無くなるだけなんじゃないのか?

まあ、自国産業の保護とかにはなるのかもしれないが、アメリカ人にアメ車しか選択肢が無くなったとして、誰も好き好んで(結果的にバカ高くなるはずの)ダメ車なんか買わんだろうし、そもそもその頃には、国内経済の衰退で、庶民が車なんか買えなくなるんじゃないのかね。


mas***** 2017-02-01 19:12:18

結果日本の利益になるならやりあってもらってもいい。マイナスになる分はしっかり言うべき。提訴や対抗手段も良いし。






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