西武ホールディングス トワイライトエクスプレス 東日本旅客鉄道

【JR東日本 観光列車】“黄金期”迎える観光列車 狙いは沿線活性化 夜行列車の復権につながるか

2017-01-01 16:30:01


 高級感を打ち出した観光列車が、今年いよいよ“黄金期”を迎えようとしている。ムーブメントを作ったJR九州の豪華列車「ななつ星in九州」に続けと、5月にはJR東日本が「トランスイート四季島」を、6月には西日本が「トワイライトエクスプレス瑞風」を投入する。西武鉄道や東京急行電鉄グループなど、私鉄各社の動きも勢いを増してきた。もっとも、大量輸送が強みの鉄道会社にとって、収益の柱にまではなり得ない。目指す先にあるのは、各社が根ざす地域の経済活性化だ。

 「地方を元気にする上でコストが低く、効果が高い手段は車両を改装することだ」

 JR九州をはじめ、鉄道各社からデザインを依頼されるインダストリアルデザイナー(工業デザイナー)の第一人者、水戸岡鋭治氏は、観光列車を走らせる意義をそう説明する。水戸岡氏の最新作となる「ザ・ロイヤルエクスプレス」で東急グループが狙うのも、静岡県・伊豆地方の観光地としての復権だ。

 7月から横浜−伊豆急下田間で走らせる同列車は、「リゾート21」として運行してきた展望車付きの伊豆急2100系電車を改造。乗客を伊豆の「海の幸」や音楽の生演奏などでもてなし、8両編成のうち1両は結婚式などのイベントも催せる多目的車とする。定員約100人で、料金は片道2万~3万円前後の予定。改造費は非公表だが「小さなビル1棟分」(野本弘文・東急電鉄社長)といい、決して巨額の投資ではない。

 一方、東急や傘下の伊豆急行グループは、伊豆地方で展開する事業への投資を加速する。「下田東急ホテル」の全面改装や、ロープウエーを運行している寝姿山山頂への飲食施設の開設などを進める。

 伊豆地方への観光客数は全盛期の1980年代には年間6000万人を越えていたが、近年は4000万人台と振るわない。野本社長は「観光列車だけでもうかるとは思っていない。これで伊豆が元気になることが重要」だと、運行の狙いを語る。

         ◇

 鉄道会社の多くは、伝統的に沿線地域での住宅事業や観光開発などで本業との相乗効果を高めるビジネスモデルを追求してきた。その傾向はとりわけ、30年前まで全国一社の公共企業体だったJRグループよりも私鉄各社に色濃い。

 各社が地盤とする地域の経済が空洞化すれば、鉄道本体まで揺らぎかねない。業界で相次ぐ観光列車への投資は、沿線地域の魅力向上を通じて観光客を奪い合う競争の一側面だともいえる。

 関東地方の例では、東京スカイツリーへの巨額投資を終えた東武鉄道が今年夏から蒸気機関車(SL)が牽引(けんいん)する観光列車「大樹」を鬼怒川線で走らせるほか、27年ぶりの新造となる特急電車も投入する。

 併せて、明治6年創業の名門「金谷ホテル」を買収し、中禅寺湖(栃木県日光市)には新型遊覧船を導入。湖畔の「日光レークサイドホテル」を「ザ・リッツ・カールトン日光」に衣替えして富裕層の取り込みを目指したり、テーマパーク「東武ワールドスクエア」へのアクセスを高める新駅を設けたりと、日光・鬼怒川エリアへの投資を矢継ぎ早に打ち出している。

 西武鉄道も負けてはいない。池袋−西武秩父間を約3時間かけて走るレストラン列車「52席の至福」を、昨年4月から運行。今年春には西武秩父駅舎を和風に改修し、温泉や飲食・物販店が入る複合施設を駅前に設けるなど、ハード面の整備を急ぐ。

 「秩父夜祭」や「川越まつり」などがユネスコ(国連教育科学文化機関)の無形文化遺産に登録されたことも追い風に、国内外の観光客を沿線に呼び寄せようと懸命だ。

         ◇

 最後にJR各社の動向を見てみよう。

 JR四国は今年4月から、新たな観光列車「四国まんなか千年ものがたり」を土讃線で走らせる予定。特急型気動車キハ185系を改造し、金刀比羅宮で知られる香川県琴平町と祖谷温泉のある徳島県三好市を結ぶ。車内では有名レストランの食事を提供、料金は運賃と合わせ約1万円前後だ。

 一方、JR西日本の「トワイライトエクスプレス瑞風」は瀬戸内や山陰などを巡る1泊2日と2泊3日のコースで、1人27万~125万円。JR東日本の「トランスイート四季島」は東北や北海道などを巡る1泊2日と3泊4日のコースで32万~115万5000円。

 まさに「日本版オリエント急行」ともいえる豪華列車であり、数日間かけて観光地を巡るクルーズトレインではあるものの、他の観光列車と比べ、庶民や若者にとっては高根の花というほかない。

 かつて日本全国を結んでいた寝台列車は新幹線や高速バス、航空機に押され、今や定期便として残るのは「サンライズ出雲」(東京−出雲市)と、「サンライズ瀬戸」(東京−高松)のみ。泊まりがけの鉄道旅行は、「速達」と「豪華」に二極分化してしまった。

 ただ、うれしい情報もある。

 JR西日本の来島達夫社長は、「瑞風」の概要を発表した11月29日の会見で「よりカジュアルに、お気軽に楽しんでいただける長距離列車」を開発すると表明した。

 運行開始時期など詳細は未定だが、「まずは電車にするか、(非電化区間も走れる)ハイブリッドにするかを検討する。『瑞風』と合わせ、鉄道の旅の良さを少しでも提供できれば」と意欲を語る。

 長距離を走る夜行列車をJR各社が復活させれば、鉄道旅行者の裾野が広がり、“頂点”である豪華列車の潜在的な顧客を増やすことにもつながる。また海外からの訪日客をさらに呼び込み、全国各地へ広げる上での有力な手段ともなり得る。観光列車のムーブメントと同様に、JR西日本の動きが広がることを期待したい。(経済本部 山沢義徳)

コメント数 12 *複数のAPIを使いコメント保存しています。

my_***** 2017-01-01 16:02:59

夜行列車はコスパで夜行バスに対抗出来ないと流石に苦しい


i_l***** 2017-01-01 16:03:59

寝台特急、、、良かったなー。チェルシー食べながら夜の車窓を眺めたモノです!


TNR2677 2017-01-01 16:06:30

高級なのはいらない
夜行バスより快適に寝られる程度でいい


cv_***** 2017-01-01 16:07:39

なんかこういう、近年の観光列車、特急列車の話題には必ずと言っていいほど近鉄がハブられてる気が…

こう言った話題には近鉄は結構重要な役割を果たしてると思うのは私だけですかね?(しまかぜ、は近年のブームでもかなり早い時期に登場しているハズ


qqu***** 2017-01-01 16:08:30

営業エリアがJR東日本や西日本に比べて狭く、そのくせ新幹線とリニア以外には興味のなさそうなJR東海には関係のない分野だろう


spo***** 2017-01-01 16:13:09

のんびりリッチな旅行なら、三江線でもいけるんじゃ?
ダイヤの心配なく。


ss1***** 2017-01-01 16:17:53

もうブルトレは遠い過去のものなのですね。


qqt***** 2017-01-01 16:37:12

別に豪華でなくても個室付きの観光列車なら需要はあると思う。長時間の移動の場合他人の目がなく気を抜ける空間があると移動も苦にならないし。


fai***** 2017-01-01 16:39:23

夜行列車がなくなったのはユーザーが選択しなくなったからです。
18シーズン以外はガラガラのながら。
ブルトレも両数がどんどん削減されて、上段も使わずでもガラガラで客がいるのは2、3両程度
。それでも必要経費、深夜の人員はかかる。
東海道はいりませんね。


vio***** 2017-01-01 17:38:37

値段の高い列車なんて集客できるんかなぁと思っていたが、かなり好評なようですね。
お金はあるとこにはあるし、持ってる人は持ってるってことですかね。
庶民の自分には関係ないけど。


iri***** 2017-01-02 10:33:20

いくら豪華でも鉄道である以上「騒音」「振動」「窮屈」からは逃れられません。
私はリーズナブルなサービスと費用で鉄道の旅情を味わいたいと思います。
例えば、20系客車に乗ってみたいですね。


*p*8*** 2017-01-01 18:55:06

わたしは特別なものはそこまで求めていないです。


ハイケンスのセレナーデ後の

「皆様おはようございます。本日は一月一日。列車は定刻通り運転いたしております。あと五分少々で柳井に到着いたします。降り口は左側。デッキステップ内でお待ちなさらいよう、、、、etc」

で、目覚めたい。

今後叶うことはできないのでしょうか。
風光明媚な瀬戸内の朝日眺めながらを幸せを感じれる貴重な瞬間でした。








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