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【日銀 長期金利】2016年は日本の金融政策にとって大きな転換点、2017年は日銀にとって正念場

2017-01-01 12:20:01


 2016年は日本の金融政策にとって大きな転換点となる年でした。日銀はイールドカーブ・コントロールという新しい手法を導入し、事実上、量的緩和策の追求を断念しました。これで日銀は一息付けるはずでしたが、米大統領選でトランプ候補が当選したことから、金利の上昇が始まりました。金利上昇は日銀にとっては避けたいシナリオです。2017年は日銀にとってまさに正念場の年となるでしょう。










会見する日銀・黒田総裁(2016年12月20日、THE PAGE編集部撮影)






 量的緩和策とは、市場にインフレ期待を生じさせ、実質金利を低下させて設備投資などを促すための政策です。日本では長期にわたって低金利が続き、これ以上、名目金利を下げることができませんから、市場にインフレ期待を生じさせて実質金利を下げてやることで同じ効果を得ようという理屈です(実質金利は名目金利から物価上昇率を差し引いて求められます)。

 通常、市場にインフレ期待が生じると、金利が上昇して設備投資が抑制されてしまいます。しかし、日銀が市場の国債を徹底的に買い上げることで長期金利を低く抑え込むことが可能となります。インフレ期待と低金利という、なかなか両立しない状態を意図的にうまく作り出そうというわけです。

 ところが日本経済は日銀が想定した通りには動きませんでした。当初はインフレが進むかに見えましたが、物価の上昇は2014年をピークに鈍化。2016年はむしろマイナスとなる月が多くなり、どちらかというとデフレに逆戻りしてしまいました。日銀としては追加緩和を行ってインフレ期待を高めたいところですが、国債買い入れには物理的に限界があり、そろそろ、その限界点が見え始めている状況です。

 日銀は量の追求を諦め、国債の購入額ではなく金利水準に政策の軸足を移すという新しい手法(イールドカーブ・コントロール)を導入しました。しかし、イールドカーブ・コントロールがうまく機能するためには、市場金利が低い状態で推移することが条件となります。金利が上がりすぎてしまうと、日銀は追加緩和に踏み切らざるを得なくなり、結局、元の状態に戻ってしまうからです。

 米国の金利が急上昇したことから、一時は日本の長期金利も跳ね上がりました。日銀は指し値オペを実施することで、今のところは何とか金利を低く抑え込むことに成功しています。しかし、米国の金利上昇が続いた場合には、日本の金利にもさらに上昇圧力が加わってくることは必至です。日銀は金利の上昇を放置するのか、あくまで低金利にこだわるのか、重大な選択を迫られることになるでしょう。景気が回復しない中での金利上昇は、設備投資が抑制されたり、政府の利払い負担が増えるなど各種の弊害があります。2017年は日銀にとって、今まで以上に難しい舵取りが求められそうです。


(The Capital Tribune Japan)

コメント数 15 *複数のAPIを使いコメント保存しています。

gva***** 2017-01-01 12:03:48

株価動向「ああ〜やっぱりな。」というオチ。


akk***** 2017-01-01 12:05:10

トランプの政策もプラスして今年ははっきり成果が見えるんじゃないかな。


sto***** 2017-01-01 12:07:56

国債の大量買い取り,マイナス金利,正念場ってもう出来ることはないんじゃないの?


nok***** 2017-01-01 12:10:01

雨がたくさん降っても田んぼに水を引いてなかったら意味が無いと・・・
市場にお金をバラまいてるそうですが、国民全体に行くシステムを築かないといつまでも経済は上向きになりませんよ。


安重根=金基宗 2017-01-01 16:01:40

日銀当座預金に国債買い取ったぶんが積み上がっているだけ。
また、民間は日銀当座預金に口座持っていないので、使えません。
使えるのは政府だけ。なので財政出動しないとデフレの状況下では、経済成長できません。


草莽の保守 2017-01-01 12:13:14

タコ足商売はいつかは破綻する。
麻薬や薬物中毒と変わらんのよ。


右利き 2017-01-01 12:15:22

もう黒田はクビでいい。何もしなかった白川よりも悪い。


mmm***** 2017-01-01 12:24:26

日銀にできることは限られている。
政府の政策がよくないといくら金が有っても民間は使えない。

国債の買い取りもそろそろ限界だろうし、手詰まり感はあるよね。


giron 2017-01-01 12:43:38

4年も経っても道半ばのアホノミスクを続ける限り、日本経済は強くならないと思いますが。
それより、黒田さんも道半ばと、ずっとやるんですか?


nj5***** 2017-01-01 12:49:10

18年3月で日銀総裁を任期切れする 黒田ホラ吹き総裁は 後1年弱で{針のむしろ}から開放されるのが唯一の心の拠り所だと思う


yfn***** 2017-01-01 12:49:28

マスコミ黙っているけど
日本人の購買力を示す指数はひどい。
他外国の所得は上がり続けているのに
日本は・・。
金持ち国家だとだまされ続けている。
ビッグマック指数しかり。


物言う竜胆 2017-01-01 12:53:06

毎年同じようなこと書いてる。
記事出してる側が日銀をダシにして転換点作りたいだけじゃないのかね。


y6g***** 2017-01-01 15:35:29

量的緩和政策は紙の上での計算であって、いくら金利を下げても企業に資金需要がなかったのだから失敗だと考える。


mtx***** 2017-01-01 19:53:33

好きだから金の意味を知って下さい
好きだから金の意味を知って下さい
好きだから金の意味を知って下さい


bit 2017-01-01 14:15:39

政府の国債利払費
H27年度 8.8兆
H28年度 9.9兆 △1.1兆
仮に0.?%の金利上昇でも消費税?%分に相当するわけで、そもそもフィッシャー方程式なんて、両辺逆にすれば、名目金利は期待インフレ率に比例するとも言えるわけだから金融政策なんて後追いで如何様にも解釈できてしまう。
そんなことよりも、国際協調の実現性を考えると困難だろうが、オフショアへの課税強化を早急に進めるべき。
・節税による減収
・法人税の減税競争
・節税による消費増税への圧力
・貧富の格差
これら財政への弊害は計り知れないと思う。








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